
こんにちは、静岡市駿河区敷地の歯医者、小澤歯科クリニックです。
今回は舌痛症について東洋医学的な側面からお話しさせていただきます。
寒くなってくると当院の患者様では舌痛症(舌が痛い、ヒリヒリする、焼けたように痛い)や口内炎ができて痛いといった方が普段より多く来られます。
その際多くの患者様が舌が痛い時にどこで治療してもらったらよいか分からなくてたまたま調べたらでてきたとよく言われます。
どの科を受診してよいか分からないと皆様悩まれていることが多いように思われます。
また、西洋医学的視点では口腔乾燥症の時と同じで正常だよと言われることが多く、痛いけど解決しなくて困ってくる方も多くおられます。
ストレスが原因ですと言われ様子見になったけど改善しなくて困っているという方もおられます。
今回はそんな舌が痛い(舌痛症)を東洋医学的な視点で解説させてもらえたらと思います。
舌痛症ってどんなものなのでしょうか?
舌痛症は、舌や口腔内に痛み、灼熱感、異常な感覚を引き起こす病態ですが、一般的な口腔検査では目立った変化がないことが多いのが特徴です。ストレスやホルモンバランスの変化、栄養不足、神経系の異常などが影響している可能性があります。また、更年期の女性に多くみられることも知られています。
上に記載している通り一般的な口腔内診査では変化がなく、問題ないと言われて困っている方も多いです。
痛み方も様々で同じ場所が常に痛い方、コロコロ場所が変わる方、焼けるような灼熱感がある方、人によってさまざまな病態を示します。
この焼けるような痛みは口腔灼熱感、バーニングマウス症候群等と言われ焼けるような痛みやひりひり痛い、味がおかしいなどの症状がでることがあります。
中には何年も痛みと戦っている方もおられます。
では東洋医学的にはどんな状態が原因として考えられるのでしょうか。
東洋医学的には舌痛症を熱邪(ねつじゃ)という病因を原因とするものや虚証(きょしょう)という状態が原因となっていると考えることがあります。
東洋医学における「熱邪」とは、体内に過剰な熱が蓄積した状態を指します。熱邪は外部から体内に侵入する場合もあれば、ストレスや食生活の乱れ、内臓の不調などから体の中で生じることもあります。熱邪が舌に影響を与えると、灼熱感や痛み、腫れ、赤みを伴う症状が現れることがあります。中には口内炎として出てくることもあり、舌が痛くて口内炎もあって口が乾くなんて方もおられます。
東洋医学で「虚証」は、身体の機能やエネルギー、栄養が低下している状態を指します。虚証の人は、疲れやすく、体力が落ちやすい傾向があります。虚証は体内のエネルギーである「気」や「血」、体を潤す「陰」が不足していることによって起こり、さまざまな症状を引き起こす原因となります。
今回はこの二つの状態に起因する舌痛症の舌を実際に見ていきましょう。

これは熱邪が原因の舌痛症(ひりひり痛い、口内炎が良くできる、口が乾く、ドライマウス)を訴えている舌です。
なかなかご自身の舌をみても赤い?白い?太い?細い?といろいろ判断に悩むと思います。
この方の舌は健康な舌と比較すると赤い色をされており体内に熱が蓄積されていると考えられます。

こちらは虚証が原因の舌痛症(食欲がなく、舌が痛い、唇がよく切れる、口の中に傷が良くできる、しんどい)を訴えている舌です。
先ほどの方と比べるとかなり色が白っぽくまた舌表面のザラザラした組織がなくなっていて表面がツルツルしており見る感じ痛そうと思われる方もいるかもしれません。
どちらの写真もわかりやすいものを選んだため実際に症状を感じる時ご自身で舌を見ただけでは普通そうに見えることも多いと思います。
これら二つとも舌が痛い!という症状ですが原因がそれぞれ異なるため漢方で治療しようと思ったときにそれぞれ違う漢方が適応となります。
漢方も西洋薬に比べ副作用が少ないイメージもありますがやはり薬ですので飲み合わせであったり長期の服用等も自己判断で行わず主治医の先生と相談された方が良いかと思います。
副作用の中には偽アルドステロン症、間質性肺炎、皮疹、消化器症状、肝機能障害等のものも認められるため注意が必要です。
またその方の体質にあった漢方薬ではない場合、効果が認められないこともあります。
主治医の先生とよく相談されてから服用されて下さい。
今回は舌痛症についてお話をさせていただきました。
来院される方の中では正常だと言われて自分が痛いと感じているのがおかしいんじゃないかと悩まれて勇気を出してこられる方もおられます。
どんな症状でもご自身の大事なお体のことなので納得いくまで相談してください。
ここまで長々と読んでいただきありがとうございました。
このような症状でお悩みの方はお気軽にお問い合わせください。
以前ドライマウスについて書いたブログです。
興味があればこちらもお読みください。
皆様よく悩まれています。
まずはしっかりと主治医の先生と相談してもらうのが一番良いと思います。
当院に来られる際はお気軽にご相談ください。
お待ちしております。