口が乾く!? 水滞が原因の口腔乾燥症について

こんにちは、静岡市駿河区敷地の歯医者、小澤歯科クリニックです。

今回は口腔乾燥症(ドライマウス)の中でも水滞が原因の口腔乾燥症についてのお話です。

口腔乾燥症には様々な症状が認められます。

口が乾く、水がないと耐えられない、夜中に口が乾いて起きる、食べ物を飲み込みにくい、唾液が泡みたいになる、長く話すのがつらい、舌が痛い、味がなんとなく変、口角が痛いなどなどです。

水滞が原因の口腔乾燥症ではこういった症状が程度の差こそあれ認められることが多いです。

水滞(水毒)が原因とされる口腔乾燥症は通常の口腔乾燥症で感じる症状を自覚されながら、一見すると口の中が乾燥して乾いているようには見えないことが多くあります。

これは水滞が原因の口腔乾燥症を訴えられた方の舌になります。

舌 水滞 突出
舌 水滞 安静位

とてもからからに乾いているようには見えませんし、ムーカスという口腔内の乾燥の程度を図る機械でも正常値を示すことが多いため非常に診断に困る病態の一つです。

このような所見のため正常だと言われてしまうことも多々あります。

ちなみに正常な舌だとこんな感じです。

舌 正常 突出
正常舌 安静位

1枚目の写真を比較すると正常な舌はきれいなピンク色をしており水滞の方の舌は白く大きく膨らんでいるようにみえます。

水滞の方の舌の側面には歯痕と呼ばれるギザギザとした歯の痕が認められます。

2枚目の写真を比較してみても水滞の方のほうが舌が肥大しており、歯を舌が覆い隠してしまっているようになっているかと思います。

水滞の方の舌は大きく膨らんでおり、前歯の根元まで舌が届きそうになっています。

これが水滞と言われる状態で、舌に本来代謝し排泄されるはずの「水」が滞りぱんぱんに膨らんでしまっている状態です。

水滞による口腔乾燥症はこうして滞ってしまった「水」を漢方によって適切に代謝し排泄することで改善されます。

ただ、漢方を使った治療の中でも水滞の状態の改善には時間がかかることが多いです。

また、漢方も西洋薬に比べ副作用が少ないイメージもありますがやはり薬ですので飲み合わせであったり長期の服用等も自己判断で行わず主治医の先生と相談された方が良いかと思います。

副作用の中には偽アルドステロン症、間質性肺炎、皮疹、消化器症状、肝機能障害等のものも認められるため注意が必要です。

またその方の体質にあった漢方薬ではない場合、効果が認められないこともあります。

せっかくなので東洋医学としての「水」や「水滞」についても少し説明しておきます。

東洋医学において「水」とは血液以外の体の中の水分を指します。

例えば、胃液などの消化液、尿などの排泄物、唾液・涙・汗などの分泌液です。

このようなもの「水」が全身をめぐり身体を潤してくれたり、体にたまった老廃物を体外に排出してくれると東洋医学では考えられています。

しかし、この「水」が滞ったりすることにより体に排出されるべき老廃物が必要以上にたまり「水滞(水毒)」といった状態になります。

「水滞」によって体のむくみやめまい、ふらつき、頭痛といった症状や口渇(口が乾く)といった症状が現れることがあります。

今回は水滞による口腔乾燥症についてのお話でした。

保険による漢方治療適応になる症状として、口が乾く、口内炎ができた、歯が痛い、顎が痛い、歯茎が痛い等様々なものがあります。

中には味覚障害(苦い、辛い、敏感になっている、鈍感になっている)、口の中が舌以外も痛いといった症状の方もおられます。

それぞれの症状に対して強い症状弱い症状が混在しているため、なんとなく変だけど病院に行って気のせいだといわれないだろうか、自分がおかしいんじゃないかと思われる方が多いように感じます。

どんな症状でもご自身の大事なお体のことなので納得いくまで相談してください。

ここまで長々と読んでいただきありがとうございました。

このような症状でお悩みの方はお気軽にお問い合わせください。

以前ドライマウスについて書いたブログです。

興味があればこちらもお読みください。

口の中が乾く!?